栄養士資格だけでは就職は厳しいのが現状

国家資格である栄養士は、栄養指導という排他的業務を行うことができる専門職です。
平成27年度時点で栄養士養成課程のある学校は137校が登録されており、それらの学校の卒業生として毎年約1万9000人程度の人が新たに栄養士資格の登録を受けます。

しかし残念なことにその卒業生がすぐに栄養士養成課程で習得した技能を生かせる仕事に就けるケースは極めて少なく、あるデータではおおよそ50%が全く栄養士の仕事とは関係ない仕事に就いているとも言われています。

栄養士の資格を取得することでできる仕事としては、学校給食や学生寮などのメニュー作成に関わることが主ですが、他にも食品メーカーでの商品開発やダイエットインストラクターといった食に関するアドバイスをする仕事に就く人もいます。

しかし管理栄養士資格と異なり栄養士資格は特定の規模以上の施設への設置義務がないため、世間全体からのニーズは多くなく、また一度就職をした人が転職するケースが少ないことから新たに求人を見つけること自体が困難であるという問題があります。

ちなみに管理栄養士の場合法律により「1回300食または1日750食以上の食事を提供する」病院、介護施設、保健施設には必ず資格者を設置しなければいけないこととなっています。

もっともそうした施設の数は決して全国的に数多くあるわけではありませんので、管理栄養士の資格を取ったらすぐに職が見つかるというわけでもないようです。

他の資格と合わせるのがキャリアアップでは必要

包み隠さずはっきり言ってしまえば、現在栄養士資格だけで食べていくというのは相当難しいと思った方がよいでしょう。

これは社会的ニーズが多くないということだけでなく、栄養士の仕事の中心となる栄養アドバイスやコンサルティングは経験値が高く求められてしまうので、既に数十年前に栄養士としてデビューしある程度経験を積んできた人と、つい最近学校を卒業した人とでは実力に大きな違いが出てしまうからです。

そのため新人栄養士はいきなり高度な技能が必要となる職種を目指すのではなく、他の資格や技能と合わせてキャリアを伸ばしていくということが必要になります。

どういった形であれ食に関する仕事に関わっていくことで経験値はどんとん積まれていくので、もし最初に意に沿うような仕事を見つけることができなくても、栄養士とは全く関係ない資格に就職するのはよくありません。

現在狙い目なのが医療系の仕事で、病棟での食を提供するために他の医療資格を取得してそこから治療にあたる業務をしていくという人材はかなり高いニーズとなっています。
管理栄養士の更に上位資格となる資格もありますので、より専門知識を備えることを目指すのがよいキャリアアップと言えます。